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2007年08月14日(火) 12時00分

【英国】ビジネス詐欺の被害額、上半期は42%増NNA

 

 英国でビジネス絡みの詐欺が急増している。会計コンサルタントのBDOストイ・ヘイワードによると、上半期(1〜6月)の被害総額は前年同期比42%増の5億3,800万ポンドに達した。
 
 中でも欧州連合(EU)の付加価値税(VAT)の仕組みを悪用した「回転木馬詐欺」と呼ばれる不正が目立つ。こうした脱税行為は全体の約87%を占め、2006年通年を金額で上回った。なお調査は1件当たりの被害額が5万ポンド以上のものが対象で、上半期は140件余りを数えた。
 
 背景にはもうけの大きさに比べ、告訴される可能性が低い実情がある。歳入関税庁は不正の対象となりやすい一部の電気製品について、消費者に販売する小売店だけがVATを徴収できるようにするなど対策を講じているが、効果はあまり上がっていない。
 
 「回転木馬詐欺」は同じ物品の輸出入を繰り返す手の込んだ脱税手法。犯行グループは他のEU加盟国から携帯電話など運搬が容易な高額商品を免税扱いで仕入れ、17.5%のVATを上乗せして国内で販売する。初めから不正目的で設立された輸入会社は税金を納めないまま閉鎖され、今度は別の企業がそれを再び域内に輸出し、合法的に税還付を受ける。
 
 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070814-00000012-nna-int