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2007年08月14日(火) 00時00分

ブログ解析から「話題」のトップブランドへ読売新聞

 ブログをはじめとしたCGM(消費者発信型メディア)が脚光を浴び、インターネット上を多くの「口コミ」情報が行き交っている。ブログ解析ツールを提供する「きざしカンパニー」の潮栄治社長に、情報伝達の変化などを聞いた。

ブログから関心事を探る

潮 栄治  うしお えいじ
きざしカンパニー社長
1961年福岡県生まれ。85年に早稲田大学政経学部卒業後、マツダ、福武書店(現ベネッセコーポレーション)を経て、2005年に株式会社シーエーシー入社。きざしカンパニーの前身となる「kizasi事業推進室」でプロジェクトの統括に携わる。07年1月にきざしカンパニーとして分社化し、現職。
——ブログを解析すると、何が分かるのですか。

 ブログに書かれていることの多くは身辺雑記や関心事ですので、多くのブログに取り上げられているということは、世間の関心を集めている、ということになります。

 普通の日記と違って、他人に公開されているのがブログの特徴です。そのため、書き手は「面白いと思ったこと」を「できるだけ早く」知らせたいという気持ちに駆られます。インターネット上の「口コミ」を分析すれば、さまざまな現象に対する「その時々」の人々の気持ちが見えてくるのです。

——ブログを解析するのは、どういう技術ですか。

 グーグルやヤフーは常に最新の情報を検索してきますが、きざしでは、それだけではなく、いつ投稿されたかという「時間」の情報も引き出されます。

 同じ話題でも、時期によって内容や取り上げられる回数が変わってきます。たとえば、高校野球一つとっても、今年と昨年とでは、語られる内容が全く違うはずですよね。きざしの検索エンジンでは、話題そのものと話題への関心の高さを、時間情報とともに把握できます。

——どのくらいの数のブログを解析しているのですか。

 ブログの書き込みを収集し始めたのは、2005年4月からです。これまでの蓄積は1億1100万件以上です。今、日本全体では、毎日50万〜80万件の投稿があるそうですが、そのうちの約20万件を集めています。

 もっと多くの書き込みを集めている検索サービスもありますが、きざしの場合は無作為に選んで、その中から話題を探し出しているのが特徴です。

——ウェブ検索とどう違うのでしょう。

 ウェブ検索が、検索する当人が読みたい内容が書かれた「ページ」を引き出すのに比べ、きざしの検索では「みんなの関心事」を探し出します。消費者の関心事を調べれば、企業のマーケティング調査に使えます。

 きざしでは、有償の解析ツール「ブログクチコミサーチ」を企業に提供しておりますが、最近では、分析レポートも行っています。

 一方、一般の方には、「kizasi.jp」というサイトを用意しています。こちらでは、過去24時間に急激にブログで取り上げられたキーワードをランキング形式で表示しています。さらに、そのキーワードと一緒に書かれた言葉も見せているので、これを見れば、ある事柄に対し、ほかの人がどんな関心を示したかがわかるというわけです。

http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20070817nt06.htm