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2007年08月13日(月) 14時32分

覚せい剤など640kg押収、中国人4人逮捕…大阪南港読売新聞

 大阪南港(大阪市住之江区)で7月末、カナダ・バンクーバーから入港した貨物船から陸揚げされた住宅用木材の内部に、覚せい剤約155キロ(末端価格93億円)や大麻約280キロ(同11億2000万円)、合成麻薬「MDMA」とみられる錠剤約205キロなどの違法薬物が隠されているのを大阪税関が発見、押収していたことが13日、わかった。

 総量は約640キロとなり、薬物の大量押収事件としては過去最大級という。同税関と合同捜査に乗り出した大阪府警は、木材を受け取りに来た中国人の男女4人を覚せい剤取締法違反(営利目的所持)で現行犯逮捕、背後に大がかりな密輸組織があるとみて追及している。

 府警や同税関によると、通関前の外国貨物を一時保管する同港の「保税蔵置場」で先月末、カナダ・バンクーバーの会社から大阪府内の貿易代行業者に発送されたコンテナ入り住宅用製材を同税関職員がX線検査し、製材8本の内部が空洞になっているのを発見した。

 うち1本を詳しく調べたところ、空洞内部に厚紙で包装された約25キロの覚せい剤の塊3個が隠され、大麻やMDMAとみられる錠剤など複数の薬物も見つかった。他7本からも、主にこれら3種類の薬物が見つかった。錠剤は約68万錠あり、すべてMDMAとすると、末端価格は27億2000万円に上り、押収量としても過去最高になるという。

 府警などは「コントロールド・デリバリー(泳がせ捜査)」を実施。今月初め、同港に荷を引き取りに来た30〜50歳代の中国人4人が、トラックで堺市内の倉庫に運び込んだのを確認、逮捕した。

 調べに対し、4人は「荷受けや運び役を頼まれただけで中身は知らなかった」などと供述している。貿易代行業者も「別の貿易業者に頼まれた」と言っている。

 薬物の大量押収事件としては、鹿児島県警などが1999年10月、覚せい剤約565キロを押収した事件や、府警などが93年6月、大麻約465キロを押収した事件などがあるが、複数の薬物が一度に大量に見つかるのは極めて珍しいという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070813i104.htm