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2007年08月13日(月) 20時55分

<大量薬物押収>昨年1年分上回る覚せい剤や大麻 大阪港で毎日新聞

 大阪府警薬物対策課と大阪税関は13日、カナダから大阪港に入港した貨物船から陸揚げされたコンテナ内に、覚せい剤約155キロと大麻約280キロ、合成麻薬「MDMA」とみられる錠剤約68万8000錠計約206キロを発見、押収したと発表した。いずれの薬物も昨年1年間の国内押収総量を上回り、末端価格は総額約131億円相当。府警は中国人4人を覚せい剤取締法違反(営利目的所持)容疑などで逮捕し、背後に大がかりな中国系密輸組織があるとみて調べている。
 調べでは、貨物船はカナダ・バンクーバーから先月20日に入港。大阪税関の検査センターで今月1日、コンテナごとX線検査し、コンテナ内の住宅用建材の束(高さ70センチ、幅245センチ、奥行き98センチ)七つの間に段ボール箱(高さ35センチ、幅45センチ、奥行き40センチ)が3箱ずつ挟まっているのを発見した。段ボール箱には薬物が入っていた。
 府警と税関の合同捜査で、6日に建材が堺市北区の倉庫に運ばれるのを確認し、同日、倉庫内にいた中国籍の大阪市天王寺区生玉町、健康食品販売業、李欣容疑者(42)ら中国人男女4人を現行犯逮捕した。李容疑者は「中国の組織に受け取りを頼まれただけ」と供述している。李容疑者は昨年11月まで日本に短期滞在、先月23日に香港から再入国していた。木材の発送元はバンクーバーの会社で、大阪府内と神戸市内の2業者が輸入を仲介していた。
 倉庫は日本人男性の名義で借りられていた。府警は倉庫内で、今回の建材以外にも、段ボール箱が既に抜き取られたとみられる同様の建材の束二つを発見。以前にも薬物が運び込まれていた可能性が高いとみている。【稲垣淳】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070813-00000074-mai-soci