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2007年08月10日(金) 23時38分

マルチ商法業者に業務停止命令 特商法違反で経産省朝日新聞

 経済産業省は10日、マルチ商法(連鎖販売)でインターネット機器を売っていた「ユナイテッド・パワー」(東京)が特定商取引法に違反していたとして、連鎖販売の新規契約や勧誘を6カ月間禁じる業務停止命令を出した。「絶対もうかる」などと事実と異なる説明で勧誘していたという。

 調べでは、同社は「up.net」と呼ぶ端末機を販売。50万円余りを払って「代理店」になれば端末機を仕入れてほかの人に8万円で売ることができるほか、別人を勧誘して新たな代理店にすれば、利益が得られる。

 同社の勧誘者は「ご飯を食べよう」などと消費者を誘い出し、実際には代理店の大多数が赤字なのに、「絶対に損はさせない」などと虚偽説明をした。事務所などで深夜まで勧誘したほか、クレジット契約を結ぶため申し込み書面に虚偽記載もさせたという。

 こうした手法は、同省が立ち入り検査で入手したマニュアルにも書かれ、同省は組織的に違法行為が繰り返された疑いがあるとみている。

 同社はマルチ商法業者の大手で、現在の代理店は2万人余。全国の消費生活センターに年間500件以上の苦情・相談が寄せられていた。

 同社は「処分取り消しを求める行政訴訟も考慮しており、現時点ではコメントは控える」としている。

http://www.asahi.com/national/update/0810/TKY200708100434.html