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2007年08月08日(水) 09時33分

NPO法人代表らを、廃棄物処理法違反容疑で逮捕 愛知朝日新聞

 NPO法人を隠れみのに、愛知県弥富市のヘリポート用の土地に不法に産業廃棄物を投棄した疑いが強まったとして、県警は8日、この法人「クリーン・リサイクル・パイオニア」の代表ら3人を廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで逮捕した。この法人は「リサイクル資源の利用推進事業」などを目的に掲げ、05年11月に愛知県の認証を受けていた。

不法投棄の現場には産廃混じりの土が高く積まれていた=愛知県弥富市三稲7丁目で

 逮捕されたのは、同県蟹江町宝2丁目、NPO法人代表城(たち)俊彦(60)、名古屋市中川区東起町4丁目、NPO法人理事加瀬琢美(55)、同市港区小碓4丁目、建設作業員砂川真二(47)の3容疑者。

 調べでは、城容疑者らは今年2月8日午前10時すぎ、弥富市三稲7丁目の土地に産業廃棄物である廃石膏(せっこう)ボード約1.5トンを投棄した疑い。

 県によると、問題の土地にはかつて養殖用の池があった。87年、当時の地主が広さ約9700平方メートルを整備し、産廃処分場を設置。廃プラスチックなどを埋め立て始めた。91年ごろには、許可容量を約4万立方メートル上回る産廃が積み上げられたが、その後、地主との連絡は取れなくなった。そのまま産廃が放置された状態で、土地の所有者は新しい地主に代わった。

 県警などによると、城容疑者は新しい地主から土地を借り、この一角に「広さ約300平方メートルで災害時用のヘリコプター緊急離着陸場を造る」との計画で、05年8月に国土交通省中部空港事務所に設置を申請した。そのうえで、自らが社長を務める建物解体会社を使い、「土地の整備」を開始。実際には今年2〜3月、県知事の許可を得ずに同市三稲7丁目の土地に、家屋解体の廃材などを捨てていたとされる。

 城容疑者は逮捕前の朝日新聞の取材に対して「廃棄物のリサイクルに昔からものすごく興味があったので、NPOを立ち上げた。廃材を埋めたのは従業員が勝手にやってしまったことで1回だけだ」と話していた。

http://www.asahi.com/national/update/0808/TKY200708080039.html