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2007年08月03日(金) 09時55分

地震保険料も取りすぎ 損保大手6社、割引適用せず朝日新聞

 損害保険会社の保険料取りすぎ問題で、家庭向け地震保険で割引を適用せずに保険料を取りすぎたケースが各社の社内調査で見つかっている。東京海上日動火災など大手6社すべてで割引漏れが発覚、うち1社では調べた契約の約2割に達した。各社は来春までに全契約について調査する予定だが、最終的な件数は大きく膨らみそうだ。

 適用漏れが見つかった地震保険の割引制度は01年から導入された。81年6月以降に新築した建物なら保険料が10%割引になる「建築年割引」と、建物の耐震性の査定で10〜30%割引になる「耐震等級割引」がある。両方の重複適用はできない。

 地震保険は火災保険とセットで加入する。昨年12月に金融庁の要請を受けて、損保各社は火災保険料の取りすぎを調査するなかで、地震保険の調査も進めてきた。

 関係者によると、ある大手損保の場合は3月末までに約2000件の地震保険を調べた結果、2割にあたる約450件で割引漏れが見つかった。大半が建築年割引だった。

 中堅や中小損保では既に公表した社もある。日新火災海上保険が火災保険5991件を抽出調査したところ地震保険923件で、大同火災海上保険でも地震保険75件中大半の68件で、それぞれ割引漏れが見つかった。

 地震保険は95年の阪神大震災以降、保有契約件数が伸び、3月末で1078万件。最終的な割引漏れ件数は、かなりの数に達する可能性が出ている。ただ、現時点では「火災保険の調査が目的だったため、地震保険の割引漏れ件数や額はまとめていない」(大手損保)などとしている。

 地震保険料は建物の構造などで異なる。東京都内の鉄筋コンクリート住宅に1000万円、家財に500万円の地震保険をかけると保険料は年間2万6250円。10%割引の適用が漏れると、年間2625円の保険料を毎年払い過ぎる計算になる。

 損保業界ではツーバイフォー住宅の火災保険料取りすぎなども発覚。3月末までに確認できた保険料取りすぎは、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、損保ジャパン、あいおい損害保険、日本興亜損害保険、ニッセイ同和損害保険の大手6社で約10万8000件、60億円近くにのぼる。

http://www.asahi.com/business/update/0802/TKY200708020384.html