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2007年07月25日(水) 10時42分

<米国>イラク帰還兵ら政府提訴 医療水準の改善求める毎日新聞

 【ワシントン和田浩明】イラクからの帰還兵ら約1万2000人が構成する二つの民間団体が23日、負傷米兵の医療水準の早期改善を求め、米復員軍人省などを相手に集団訴訟をカリフォルニア州サンフランシスコ連邦地裁に起こした。米国ではイラク帰還負傷兵のケア体制が不十分として同省や国防総省が批判のやり玉に挙がっている。原告団は「政府の対応を待っていては事態が好転しない」と提訴の理由を述べている。
 提訴したのはワシントンに本部がある帰還兵団体「ベテランズ・フォー・コモンセンス」など。訴状によると、復員軍人省管轄の医療施設を利用するには同省による負傷認定が必要だが、帰還負傷兵からの60万件以上の認定申請が未処理のままで、1年以上も待たされる事例があるという。
 イラクからの帰還兵の多くが抱えるとされるPTSD(心的外傷後ストレス障害)についても、原告側は「派遣前から有した症状だとの認定を押しつけ、補償の道を閉ざした事例がある」と連邦政府を批判している。
 イラクとアフガニスタンへの米兵派遣数は延べ150万人を超え、負傷兵は2万8000人に達している。国防総省の調査では、何らかの精神的症状を訴えた米兵は初めての派遣のケースで17%、2回目以上で27%に上っている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070725-00000021-mai-int