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2007年07月25日(水) 08時11分

滞納処分逃れ、預金隠した疑い 「多幸梅」経営会社朝日新聞

 税金の滞納による差し押さえを逃れるため、法人が所有する預金約9800万円を隠していたとして、大阪国税局が、日本料理店「多幸梅(たこうめ)」の経営会社「多幸梅観光」(大阪市北区)と、同社の滝本良雄社長=奈良県生駒市=を国税徴収法違反(滞納処分免脱)容疑で大阪地検に告発したことが24日、わかった。

 関係者によると、同社は大阪・キタの繁華街「お初天神通り」にある本店ビルを売却して利益を出し、06年11月に法人税と消費税計6億円余りを納税する義務が生じたが、売却益の大半を借入金の返済にあてて税金を滞納した。

 その直後、滝本社長はこの税金滞納による差し押さえを免れるため、同社が保有する銀行口座から約9800万円を引き出し、滝本社長や同社幹部名義の口座などに移し替えて法人の財産を隠した疑いがもたれている。

 国税徴収法は、納税者が滞納処分の執行を免れる目的で財産を隠したり損壊したりする行為をすれば、3年以下の懲役か50万円以下の罰金、またはその両方を科すと定めている。

 民間信用調査会社などによると、同社は1949年設立。本店ビルやJR大阪駅のターミナルビル「アクティ大阪」など、大阪市内で日本料理店数店舗を経営している。従業員は約30人で、06年9月期の売上高は約8億円にのぼる。

http://www.asahi.com/national/update/0725/OSK200707240180.html