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2007年07月24日(火) 06時08分

柏崎刈羽1号機、原発建屋浸水2千トン 配線口にすき間朝日新聞

 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発1号機の原子炉建屋近くの地中に埋設された消火用配管が破裂し、建屋地下の電気ケーブル引き込み口に生じたすき間から水が建屋内に入り、約2000トンが放射性物質がある放射線管理区域に流れ込んでいたことが23日、わかった。外部と遮断された構造に設計されている管理区域が建屋外部とつながったことについて、東電は「引き込み口にすき間ができることは想定外。管理区域内は減圧状態で、空気などは漏れず、放射性物質の外部漏出はない」としている。

1号機地下の放射線管理区域に水が入った状況

 東電によると、地震発生時、1号機周辺の地盤が約20〜30センチ沈下した。建屋地下1階の放射線管理区域内に地中から引き込まれていた電気ケーブルが押し下げられ、地下1階のケーブル引き込み口にすき間ができた。破裂した消火用配管から漏れだした水が、そこから建屋内に流れ込んだ。1号機は固い地盤の上に造られていたが、周囲は砂層だったため地盤沈下が起きたとみている。

 水は排水管を通って地下5階に流入した。管理区域内に入ったことで、水は放射性物質を含んだ。放射線管理区域の地下5階には排水管の水を一時的にためておく廃水タンクが設置されているが、大量の水が一気に流れ込んだことで床にあふれ出た。

 地下5階にたまった水は、平均的な25メートルプールの5杯分に当たる約2000トンに上ると見られる。この階には、1号機管理区域内から出た放射性物質を含んだ廃水を濾過(ろか)装置に送るモーターなどが設置されている。

 水は高さ48センチに達しており、タンクやモーターもかなりの被害を受けたとみられる。東電によると、水の放射能汚染の程度は低いという。今後の対応について、「現在はすき間はふさいだ。このような事態は想定していなかったので、どのような排水方法があるか検討したい」としているが、復旧時期の見通しは立っていない。

 同原発では、3号機周辺でも地盤沈下が起こり、電線ケーブルが破損して変圧器に火災が起きる原因になっていた。

http://www.asahi.com/national/update/0723/TKY200707230652.html