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2007年07月20日(金) 00時00分

割り勘にする読売新聞

 この時期、仕事帰りに飲む暑気払いのビールは格別なものですが、気になるのは店を出る前の支払い。

 飲み会と言っても様々です。先輩・後輩、上司・部下、仕事上の取引先の接待などでは、支払いを「割り勘」で済ますにはいかない雰囲気があります。

 一方、気の置けない仲間同士の飲み会では「割り勘でいこう」で支払いは問題なく決着します。

 「割り勘にする」で頻繁に登場するのが go Dutch。「彼と割り勘にする」なら、go Dutch with him。

 この表現は受験英語でも習った人が多いかもしれません。 Dutch(オランダの、オランダ人の)は「けちな」「締まり屋」などネガティブな意味合いで使われることが多く、英国とオランダ間で起きた過去の戦争などの影響で、英国人の反オランダ感情が強かったためと言われています。

 その典型なのが「割り勘」を意味する Dutch account や Dutch treat です。

 その他、 split the bill や、くだけた表現の go halves( fifty−fifty )があります。特に後者は、「均等割り」といったニュアンスが感じ取れます。

 また、事情があって飲み会に遅れ、あまり飲食する時間がなかったのに、割り勘と聞かされれば、次のような愚痴もこぼしたくなるといったところでしょうか。

 What do you mean I have to split the bill? I haven’t had much to drink, and I didn’t eat to speak of.

 ところで、一緒に食事に行った人と別々に勘定をして欲しい場合は、ウエーターまたはウエートレスに、 Could you do separate checks, please? と言えばよいでしょう。

 一般的に、一方が支払いを持つ場合は、 I’ll treat.(私のおごりだよ)、または、 I’ll foot the bill.(勘定は私が持つよ)。

 また、「費用を持つ」意味の前置詞 on についても触れておきましょう。 The drinks are on me.(私のおごりだ)。「会社持ちだ」なら me を the company にすれば済みます。

 関連で、 on the house(店のおごり)もあります。例えば、 If you go to that restaurant on your birthday, you get a drink on the house.(誕生日にあのレストランに行けば、飲み物がタダになるよ)。(石田 格也 記者)

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