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2007年07月16日(月) 23時04分

<中越沖地震>微量の放射能漏れ海水中へ 柏崎刈羽原発で毎日新聞

 東京電力柏崎刈羽原発(1〜7号機、新潟県柏崎市、刈羽村)では、稼働中だった2、3、4、7号機が自動的に緊急停止した。地震発生直後の午前10時15分ごろには、3号機のタービン建屋に隣接した変圧器から火が出ているのを、同社員が発見。約1時間後に駆けつけた消防署が化学消火剤で消したが、約2時間にわたり黒煙を上げ続けた。また、同社は6号機から微量の放射能を含んだ水約1.2トンが、海水中に放出されたと発表した。地震によりこのような事態が起きたのは例がないという。
 同社と経済産業省原子力安全・保安院によると、同原発から中越沖地震の震央までの距離は約9キロ。国内では最も原発の近くで発生した大地震とみられる。
 同社によると、燃えた変圧器は、原発で発電した電気の一部を発電所内で使用するために電圧を下げる機器。出火原因は不明だが、同社は、変圧器内の油が地震の揺れで漏れ、引火した可能性も含めて調査している。
 一方、海水中に放出されたのは6号機の使用済み核燃料プールの水とみられる。地震の影響でプールの水が原子炉建屋内の周囲にあふれ、排水に混じったらしい。放射能の量は約6万ベクレルで、ラドン温泉の温泉水6リットル程度が含む放射能と同程度。法令の基準以下で人体に影響はないという。
 同社は、他の6基でも建屋内のプール周辺での水漏れを確認した。外部への放射能漏れがないか調べているという。【中村牧生、高木昭午】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070716-00000084-mai-soci