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2007年07月16日(月) 03時02分

<年金福祉還元事業>102法人に天下り663人毎日新聞

 経営破綻(はたん)した大規模保養施設「グリーンピア」など年金の福祉還元事業にかかわる102法人に、事業廃止決定後の昨年4月時点で、社会保険庁や厚生労働省などのOBが役員218人、一般職員445人の計663人在籍していたことが分かった。中央所管法人では役員155人中47人と3割を占める。年金記録のずさんな管理実態が表面化する中、保険料の無駄遣いが批判された法人がOBの受け皿となっている実態が浮き彫りになった。
 年金福祉還元事業は(1)グリーンピア(2)年金住宅融資(3)社会保険健康センター「ペアーレ」、健康福祉センター「サンピア」など年金福祉施設——の3事業。05年度までに年金保険料6兆4000億円が、これらの給付以外の事業に使われた。年金財政が苦しくなる中、元厚労省幹部の地元への施設誘致や放漫経営による赤字などが指摘され、政府は01年12月、グリーンピア、年金住宅融資の廃止を決定。年金福祉施設の売却も与党合意で04年3月に決定した。
 ところが昨年4月時点で、これらの事業にかかわる両省庁所管の14法人と、各地の社会保険事務局所管の88法人に663人の元国家公務員が在籍していたことが分かった。ほとんどが両省庁のOBとみられる。
 全国13カ所のグリーンピアは当初、特殊法人「年金福祉事業団」が運営。後に特殊法人「年金資金運用基金」と改称、さらに「年金積立金管理運用独立行政法人」に移行した。独立行政法人では元社保庁総務課長が理事、同次長が監事を務め、前身の2法人は歴代6理事長が元厚生事務次官だった。建設・修繕に3727億円を投じながら、廃止後の全売却額はわずか約48億円にとどまった。独立行政法人は現在、年金積立金の運用のみを行っている。
 サンピアなど89カ所を運営する財団法人「厚生年金事業振興団」は、理事長の吉原健二・元社保庁長官ら全常勤役員4人が両省庁のOBだった。常務理事は▽元厚生省児童家庭局長▽元国立医療・病院管理研究所長▽元社保庁地方課長。歴代理事長に4000万円前後の退職金が出ている。
 34カ所のペアーレを運営する財団法人「社会保険健康事業財団」は、常務理事が元社保庁保険指導課長で、元厚労省健康局長と元社保庁参事官が理事と監事。全一般職員の1割に当たる125人が元国家公務員だ。
 地方所管法人では、各地の財団法人「社会保険協会」に、元国家公務員が役員に81人、職員に125人在籍。各地の財団法人「国民年金福祉協会」にも82人が役員に再就職していた。【野倉恵】

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