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2007年07月15日(日) 19時54分

英超党派グループが「イラク政策」ガイドライン提言読売新聞

 【ロンドン=森千春】英国の超党派研究グループ「イラク委員会」は14日、英政府がとるべきイラク政策について、周辺諸国が参加し、イラクの領土保全を支援する国際条約締結などを提言する報告書を発表した。

 同委員会は、パディ・アシュダウン元自由民主党首ら主要政党議員が共同座長を務め、王立国際問題研究所など有力研究機関の専門家が参加しており、提言内容は、イラクをめぐる議論に影響を与えそうだ。

 同報告書は、イラク政策の目標を、「イラク国家の統一性を保ち、国際テロ組織アル・カーイダの拠点となることを防ぐこと」に絞るべきだと主張した。

 達成手段としては、国連安全保障理事会の承認のもとで、米国や欧州連合(EU)と協力して、国際条約作りを目指すことを提案。イラン、シリア、サウジアラビアなど周辺国の参加の必要性を強調した。

 報告書は、南部で活動しているイラク駐留英軍については、「攻撃的な軍事作戦」を停止して、イラク治安部隊の訓練に集中することを提唱。訓練が終われば、治安情勢にかかわらず、治安権限をイラク側に引き渡すべきだとしている。英軍撤退の目標期限は明示しなかった。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070715it11.htm?from=top