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2007年07月14日(土) 19時11分

<OHT株>弁護士が株価不正操作の疑い 名義借りて売買毎日新聞

 東京都港区の六本木ヒルズに事務所を置く男性弁護士(53)が、東証マザーズ上場の電気検査装置メーカー「オー・エイチ・ティー」(OHT、広島県福山市)の株価を不正に操作した疑いがあるとして、さいたま地検特別刑事部は証券取引法違反(相場操縦)容疑で捜査を始めた。OHT株を巡っては、株価暴落により、投資家の損失を肩代わりした10社以上の証券会社が計数十億円規模の損失を被った。
 関係者によると、弁護士は、大手ゼネコン幹部や知人ら約10人から名義を借り、OHT株の売買を繰り返していたが、5月中旬に株価が暴落。その直後に行方不明になったという。大半は担保として差し入れた保証金の2〜3倍の株を売買できる信用取引で行われていたため、株価急落を受け、証券会社は顧客に追加の保証金(追い証)の支払いを求めた。しかし、支払えない顧客が続出し、東京や名古屋の大手・中堅証券会社が総額数十億円の損失を被る異例の事態になっている。
 OHTは03年4月に株式を上場。当初10万〜20万円台で推移していた株価はその後急上昇し、今年1月に150万円の最高値をつけた。だが、5月中旬に急落し、7月13日には18万円と最高値の8分の1程度に落ち込んでいる。
 OHT株を巡っては、別の株価操縦事件で同地検に逮捕された投資会社役員、関沢賢治被告(43)=証券取引法違反罪で起訴=が05年10月末時点で、発行済み株式の5.4%(2218株)を保有する6位の大株主になっており、同地検は弁護士と関沢被告の関連を調べている。【堀文彦、村上尊一】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070714-00000058-mai-soci