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2007年07月13日(金) 23時34分

トヨタの歴代3部長を不起訴 不具合衝突事故で熊本地検朝日新聞

 熊本県菊池市で04年8月に起きたRV車「ハイラックス」の不具合による衝突事故で、5人が重軽傷を負ったのはトヨタ自動車(愛知県豊田市)がリコールせずに欠陥を放置したためだとして、熊本県警が業務上過失致傷容疑で書類送検した同社のリコール担当の歴代3部長について、熊本地検は13日、嫌疑不十分で不起訴処分とした。

 菊池市の事故では、ハンドルの回転を前輪に伝える鉄製のステアリングリレーロッドの不具合で、ハンドル操作ができなくなって対向車と衝突。県警は、同社が96年にはロッドの強度不足を把握し、事故が起きる危険性も認識していたとみていた。

 しかし、熊本地検は(1)96年時点でロッド欠損などの不具合を報告する販売店からの報告は4件だけだった(2)菊池市の事故まで人身事故はなかったなどの理由から、リコールしなければならない状況だったとは言えないと判断した。

 同社は04年3〜4月にロッドの折損が相次いだため、リコールへ向けた手続きを開始。菊池市の事故は同8月に起き、同社は同10月にリコールを届け出た。その手続きについても熊本地検は「遅きに失したとは認められない」とした。

 県警交通指導課は「コメントは差し控えたい。法と証拠に基づき適正に捜査を遂げて送致した」と発表した。

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 トヨタ自動車は熊本地検の不起訴の決定を受け、「事故にあわれた方々に、心よりお見舞いを申し上げます。また、当社製品の品質や安全性に関して、多くの皆様にご心配をおかけしたことをおわび申し上げます」とした上で「引き続き、更なる品質の向上に取り組んでまいります」とするコメントを出した。

http://www.asahi.com/national/update/0713/SEB200707130067.html