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2007年07月10日(火) 12時02分

姫川病院:再建断念、週内に自己破産申請 スタッフ確保見通し立たず /新潟毎日新聞

 経営破綻(はたん)で先月末に閉院した糸魚川市大野の糸魚川医療生活協同組合「姫川病院」(清水勇理事長)は9日、再建を断念し、今週中に地裁高田支部に自己破産を申し立てると発表した。会見で清水理事長は「民事再生による経営の継続も検討したが、医師らスタッフの確保の見通しが立たなかった」と語った。【萩原滋樹】
 同病院の07年3月期の負債総額は22億6600万円で、総資産に比べ2億1300万円の債務超過となっている。このため、6月4日の理事会で閉院を決定。医師不足と診療報酬改定に伴う収益の悪化を理由に、自己破産申し立ての手続きを始めた。その後、組合員らから再建の要望が出たことから民事再生による経営継続を模索してきた。
 しかし「経営不安定」を理由に富山大からの医師の派遣が見送られたうえ、看護師らスタッフも先月30日付で解雇しており、経営再開時に医師、スタッフの集まる見込みが立たなくなったという。また民事再生の場合、病院の資金用に組合員から購入を募った組合債(1口1万円、計12億2000万円)の9割を放棄することになり、再建を断念したという。
 同病院の理事会は今月13日に拡大理事会を開催し、組合員に自己破産の決定を報告。さらに組合債を購入した組合員にも今月末、改めて説明会を開く方針。ただし組合員が債権を確保するのは困難な状況という。
 清水理事長は「20年続いた病院をなくしたことは誠に力不足で、地域住民を混乱させ申し訳なかった」と謝罪。同病院の再活用について、「糸魚川市の医療福祉のため有効活用してほしい」と語った。

7月10日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070710-00000076-mailo-l15