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2007年07月10日(火) 06時12分

格差是正で1国2制度提案へ 秋田県知事、全国知事会で河北新報

 寺田典城秋田県知事は、熊本市で12日始まる全国知事会議で、地方と都市の格差是正策として、「1国2制度」の導入を提案する。全国一律の制度や決まりを見直し、財政力に応じて異なる法人税率を適用するなど、条件の不利な地域へ特例措置を設けるよう国に働き掛ける。既に新潟を含む東北7県と北海道に説明しており、村井嘉浩宮城県知事らが賛意を示している。

 1国2制度は(1)地域の財政力指数に応じ、15—30%の4段階の法人税率を適用(2)県民所得が250万円未満の地域の企業は、現行より低い保証料率を適用(3)条件不利地域の高速道路を無料化か低料金化—することなどを提案している。

 東北や山陰など、過疎と豪雪のため不利な条件の地域を対象とし、都市と異なる制度を適用することで、地方への投資や企業立地を促進させ、競争機会の均等や東京一極集中を是正する狙い。

 秋田県は2008年度の「国の施策・予算に関する提案・要望」で、新時代国土発展制度と銘打ち1国2制度の実現を初めて各省庁へ要望した。
 寺田知事は北海道・東北知事会が一体として要望することも目指し、職員を北海道と東北7県に派遣し、担当課に1国2制度の内容を説明した。その結果、村井知事と高橋はるみ北海道知事は「問題提起は妥当で、考えに賛成できる」と支持を明確にした。

 達増拓也岩手県知事、三村申吾青森県知事、佐藤雄平福島県知事の3人は「もう少し検討が必要」と指摘し、慎重な立場。斎藤弘山形県知事は「地方と都市の対立をあおらないか」と懸念を示した。泉田裕彦新潟県知事は未回答だった。

 寺田知事はこうした北海道・東北各知事の考え方も踏まえ、全国への問題提起も必要だとして、知事会議での提案に踏み切る。
 寺田知事は「前例のないことは取り上げないのが役所。まず事務方に理解してもらわないと、知事の賛同は得られない。実現までは時間がかかるだろうが、可能なことから始めたい」と話した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070710-00000003-khk-l05