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2007年07月07日(土) 21時28分

グッドウィルの日雇い派遣天引き問題、労組が集団訴訟へ朝日新聞

 グッドウィル・グループ子会社で日雇い派遣大手のグッドウィル(東京都港区)が給料から不透明な天引きをしていた問題で、派遣労働者でつくる労働組合グッドウィルユニオンは7日、「法的根拠のない不当な徴収だった」として、過去の天引き分の全額返還を求めて、早ければ今月中にも集団訴訟を起こすことを決めた。

 グッドウィルは今年4月まで、派遣1回あたり200円を保険料などの名目でスタッフの給料から天引きしていた。任意というが、労組は「実質強制で使い道も不透明」として返還を要求。会社側は先月、賃金請求権の時効を根拠に、過去2年分に限って返還すると発表した。労組はその後の団体交渉で、2年に限らず全額を返すよう求めたが、同社は拒否した。

 7日夜の同ユニオンの提訴検討会には30人を超すスタッフが参加。すでに複数が訴訟への参加を決めているという。そのうち東京都の男性(27)は、派遣が禁止された港湾での荷さばきや船内作業に従事させられ、今年2月、荷崩れに巻き込まれ左足骨折の大けがをした。

 01年から日雇い派遣で働くこの男性は「天引き総額は20万円近くになると思う。ずっと作業中の事故やケガに対する保険料だと説明されていたのに、保険金の支払いを請求したら『その保険は今はない』と言われた。詐欺のような話だ」と怒る。

 同ユニオンの関根秀一郎書記長は「大手フルキャストは全額返還を決断した。2年分しか返さないグッドウィルの不当性ははっきりしている」と話す。金銭的な余裕がない若者も少なくなく、同ユニオンは今後、訴訟費用のカンパも呼びかける。

http://www.asahi.com/national/update/0707/TKY200707070409.html