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2007年07月06日(金) 06時05分

厚労省のソフトに欠陥 利用者情報流出のおそれ朝日新聞

 年金や健康保険などの申請や届け出をインターネット上で行う厚生労働省の電子システムのソフトに欠陥があり、利用者のパソコン内の情報が流出する危険性があったことが5日わかった。厚労省は6月26日にこの欠陥を把握したが、10日間放置していた。昨年度のシステムの利用件数は約9万5000件。これまで被害報告はないという。

 同省によると、「電子申請・届出システム」は03年に導入され、年金や健康保険、食品輸入など同省が所管する行政の約9割の手続きができる。システムを使うために利用者がパソコンに特定のソフトを導入すると、外部からパソコンを操作され情報が流出する恐れがあるという。

 ソフト開発会社は昨年12月以降、自社のホームページ(HP)上で注意喚起したが、同省は内閣官房から連絡を受ける6月26日まで欠陥を把握できず、その後も「利用者に迷惑をかける」との理由で利用中止や注意喚起などをしていなかった。

 同省は6日未明、利用者に注意を呼びかける文書をHPに掲載した。同省情報企画室は「早急に対応するべきだった。反省している」と話している。

 同省によると、他省も同じソフトを利用しているが、すでに最新版への切り替えを利用者に呼びかけているところもあるという。

http://www.asahi.com/national/update/0706/TKY200707050376.html