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2007年07月06日(金) 00時00分

一夜漬け読売新聞

 夏休みも間近に迫りましたが、その前にクリアしなければならないのが、1学期の期末試験(term‐end examination)です。

 しかし、日ごろの勉強不足から、一夜漬けの詰め込み勉強しか頼る方法がなくなり、結果は案の定惨たんたるものだった、なんて経験は多くの人がお持ちではありませんか。筆者の体験では、この時期の徹夜勉強は夜明けが早いため、気分はあせるばかりでほとんど効果なし、というものでした。

 英語で「一夜漬けする」にぴったりなのが、「詰め込む」意味の cram を使った cram the night before(exams)。

 例えば、 The term‐end exams are next week. Just cramming the night before won’t get you ready.The time to start studying is now.(来週から期末試験だ。でも一夜漬けじゃ、太刀打ちできない問題ばかりだぞ。きょうから始めろよ)

 次に、「詰め込み勉強をする」の意味で cram 以外にもぜひ使えるようにしたい表現を紹介します。

 まずは take a crash course in〜。crash(大急ぎの、突貫工事の)が表すように、「速成コースをとる」が原義。take a crash course in Englishなら「英語の詰め込み勉強をする」。もう一つは bone up on〜。こちらは同じ目的語でも前置詞はon。

 その他、試験にちなんだ言い回しにも触れておきましょう。

 「徹夜する」は stay(sit) up all night studying。この表現は stay up all night playing mah‐jong(徹夜でマージャンする)など、幅広い応用が可能です。

 「カンニングする」は cheat。 cun‐ning は悪賢さ、抜け目なさで、日本語の「カンニング」とは異なります。

 口語でよく使われる crib という単語もあります。 be caught cribbing(カンニングを見つかる)

 cribは名詞で「カンニングペーパー」。 The crib he prepared the day before the test failed him.(試験前日に準備した虎の巻はヤマがはずれた)

 さて、試験に限らず、「(時間的に)追い詰められれば追い詰められるほど実力を発揮できる」などと言えるうちはよいのですが、いつもうまくゆくとは限りません。やはり物事、余裕を持ってこなした方がよさそうです。(石田格也記者)

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