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2007年07月06日(金) 13時01分

前那賀町長の公金私的流用:日下前町長、詐欺容疑などで逮捕 /徳島毎日新聞

 ◇坂口町長「真実を明らかににし、町民に謝罪してほしい」
 多額の公金流用が明るみに出てから約4カ月にわたり、姿を隠していた前那賀町長、日下正隆容疑者(61)が5日、詐欺容疑などで県警に逮捕された。役場では坂口博文町長が会見し、「前町長は真実を明らかにし、町民に謝罪してほしい」と求めた。県警は今後、業務上横領容疑などでの立件も視野に入れ捜査を進める。【加藤明子、向畑泰司】
 町役場で会見した坂口町長は「さまざまなうわさや憶測が飛び交い、町が混乱している。本人の口から真実を明らかにして、謝罪してもらいたい。直接会うことはできないので、弁護士を通じて、質問に答えてほしい」と話した。今後、議会や弁護士と対応を検討するという。
 また、捜査や日下容疑者を相手取った民事訴訟などの進展状況については広報誌やケーブルテレビで町民に公表するとし、「町民の不安解消のため、町政懇談会などを開き、意見交換したい」と述べた。
 日下容疑者は1964年、旧鷲敷町に採用された。総務課長、教育長などを経て、97年に収入役に就任。02年の同町長選に当選した。那賀郡内5町村の合併で05年3月に那賀町が発足し、翌月行われた同町長選で当選した。
 ◇業務上横領や背任容疑で立件も検討
 日下容疑者は5日午前7時、徳島市内の知人宅のアパートで捜査員に同行を求められ、捜査車両で那賀署に向かった。午前8時20分、同署に到着。捜査員に連れられ、通用口から署内に入った。午後2時20分、逮捕状を執行され、留置施設のある小松島署に身柄を移された。
 県警は町の刑事告訴(5月)を受け、坂口町長ら幹部から繰り返し事情聴取を行い、捜査を進めてきた。流用期間が長期間に及ぶことや、流用を隠ぺいするため4回にわたり、複数の金融機関で借り換えを行っていることなどから、捜査は難航。告訴状の提出から2カ月後の着手となった。
 日下容疑者は調べに対し、「金やプラチナ、ガソリンなどの先物取引を始め、損失補てんのため公金の流用を重ねた」と供述。県警では今回の逮捕を入り口に業務上横領や背任容疑での立件も検討する。

7月6日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070706-00000147-mailo-l36