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2007年07月05日(木) 10時51分

静岡新聞「不適切な引用」でおわび ウィキペディアから朝日新聞

 静岡新聞は、朝刊1面のコラムで出典を示さずにインターネットの百科事典サイト「ウィキペディア」から記述を引用したとして、5日付紙面に「お詫(わ)び」を掲載した。「不適切な行為で、読者と関係者の皆さまにおわび申し上げる」としている。

 問題になったのは、6月29日付朝刊の宮沢喜一元首相の死去をテーマにした記事。「(宮沢元首相が)七〇年代の外務大臣在任時、旧ソ連の古強者グロムイコ外相との北方領土交渉では、のらりくらりと話をはぐらかすのに業を煮やし、恫喝(どうかつ)して席に着かせたという伝説もある」という個所と、宮沢元首相のサンフランシスコ講和会議50周年式典でのスピーチを「日米関係の二十一世紀への遺言」と評した2カ所が、ウィキペディアからの引用だったとした。

 執筆した論説委員が広く知られたエピソードと思い込み、出典を省いたという。読者から指摘があった。

 ウィキペディアは不特定多数の人がネット上で執筆できる百科事典。ただ、誤った情報が書かれる場合もあり、修正や追加が繰り返されている。

http://www.asahi.com/national/update/0705/TKY200707050084.html