記事登録
2007年07月05日(木) 08時00分

商工ローン 過払い金差し押さえ 神奈川県、県税滞納整理で初産経新聞

 県税の滞納整理のために神奈川県が、滞納者が商工ローンに法定利息を超えて払ったいわゆるグレーゾーン金利分の差し押さえを執行したことが4日、分かった。県税務課によると、金利過払い分を金融業者から返還させ、滞納整理に成功したのは全国で初めてという。

 県南県税事務所が今年3月から4月にかけて執行。横浜市内の中古車販売業者が商工ローン4社に、過大に支払った利子約1400万円を差し押さえた。

 この業者は商工ローンへの返済のため、県税の自動車税約1000万円の納税が滞っていたほか、家賃や光熱費などの生活費にも困窮していたという。

 県は差し押さえで得た1400万円から滞納額を差し引き、残る約400万円を中古車販売業者に返還した。県税務課は「今後も滞納を整理する手法の一つとして活用していく」としている。

 グレーゾーン金利は利息制限法の上限(20%)と、出資法の上限金利(29・2%)の中間にあたる金利。最高裁はグレーゾーン金利を無効とする判断を示しているほか、貸金業関連法が改正され撤廃が決まっている。

【関連記事】
芦屋市が消費者金融過払い金債権差し押さえ 多重債務の市税滞納者、全国初
【さまよう消費者金融】殺到する利息返還請求
【勿忘草】金融機関に相手にされない貧乏人は…
過払い返還求め1200人、消費者金融など提訴
貸金業者数17%減 規制強化、苦情は19%増
【夕刊キャスター】長期金利上昇 投資活動へ波及、暮らしに影響も
消費者金融4社 最終赤字は計1兆7000億円

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070705-00000020-san-soci