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2007年07月05日(木) 06時52分

同じ客に次々貸し付け容疑、ヤミ金30数人逮捕 警視庁朝日新聞

 複数のヤミ金業者が手を組み、同じ顧客に次々と違法な高金利で金を貸し付けたとして、警視庁が東京都内のヤミ金グループを摘発し、統括する立場の男や9店舗の経営者、従業員ら計三十数人を出資法違反(高金利)の疑いで逮捕していたことが分かった。

 顧客情報を共有し、返済期限が迫った人に別の業者が貸し付けを繰り返す「システム金融」で、グループは約8カ月間に元利1億数千万円を回収していた疑いがある。また、メンバーの一部は数年前からこの手口で貸し付けを繰り返しており、客から集めた金は計数億円にのぼる見通しだ。システム金融は、多重債務者を生み出しやすいことから問題になっている。

 生活経済課と渋谷署などの調べでは、グループは台東区西浅草1丁目のマンション一室に「本部」を設け、顧客情報を集約。本部の下に渋谷区や新宿区などのヤミ金業者9店舗が連なっていた。業者らは返済期限が近づいた顧客に順々に「お支払い、大変でしょう」などと電話し、違法な高金利で次々貸し付けていたという。

 同課などは4日、本部を統括し、グループの中心とみられる男を含む約10人を逮捕した。

 出資法違反事件は、単独のヤミ金業者の摘発にとどまるケースが多いが、実際には上部組織が複数の業者を束ねている形が少なくないという。今回はヤミ金業者を内偵中に、複数の業者がバイク便を使って本部に金を運んでいることをつかみ、組織の解明につながったという。

http://www.asahi.com/national/update/0704/TKY200707040462.html