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2007年07月04日(水) 21時03分

元教授ら自費出版「新風舎」提訴、一部書店しか本出回らず読売新聞

「出版された書籍は全国800の書店で販売される」などのうたい文句で自著の出版を勧誘され、出版費用をだまし取られたとして、元大学教授らが4日、大手自費出版社「新風舎」(東京都港区)に、計約763万円の賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 訴えたのは、滋賀県長浜市の元大学教授、吉田龍恵さん(77)ら3人と1法人。

 訴状によると、吉田さんらは2002年10月から今年2月、自著の出版契約を同社と結び、約195万円〜約99万円を支払ったが、実際には一部の書店でしか販売されなかった。同社は書店への営業活動をほとんど行わず、原告側は「書店に陳列されない可能性を故意に告げず、詐欺にあたる」と主張している。

 同社は、本の出版費用をすべて著者が負担する「自費出版」ではなく、同社も負担する「共同出版」事業を展開。06年の新刊書籍発行点数は2788点で出版業界トップという。

 新風舎の話「訴状が届いていないのでコメントできないが、著者との良好な関係が絶たれてしまうとしたら大変、残念だ」

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070704i414.htm