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2007年07月03日(火) 12時02分

海ごみサミット・佐渡会議:海岸漂着ごみの悩み、深刻 国は根本的対策を /新潟毎日新聞

 ◇佐渡の会議で現状報告
 離島が抱える海洋漂流・海岸漂着ごみの対策を自治体などが話し合う「海ごみサミット・佐渡会議」(佐渡市、JEAN/クリーンアップ全国事務局共催)が2日、佐渡市中原のアミューズメント佐渡で行われた。今月20日、条文に「離島の保全」を盛り込んだ「海洋基本法」が施行の見通しだが、漂着ごみ問題は手つかず。サミットを通じて、処理の限界を超えた自治体の悩みが垣間見えた。【磯野保】
 サミットでは「自治体首長セッション」が行われ、佐渡市の高野宏一郎市長をコーディネーターに三重県鳥羽市・木田久主一市長、長崎県対馬市・松村良幸市長ら5県6首長が漂着ごみの現状について報告し、発言した。
 報告によると、対馬のリアス式海岸は無数の入り江があり、1カ所のごみ回収で4トントラック40台という膨大なごみが集まる。また山形県酒田市の飛島は人口約300人で、62%の高齢化率。酒田市から応援を出さないと処理できないという。粟島浦村も人口が少なく、集積したごみの処理ができず、海水浴場以外は漂着ごみが堆積(たいせき)したままで、手の付けようがない深刻な状況という。
 サミットで首長らは、漂着ごみの清掃が結局対症療法でしかないと結論付け、漂着ごみ処理予算を地方交付税に算入するなどのほか、根本的な対策を国に強く働きかけることで同意した。このほか、知床のように自然環境を生かした観光(エコツーリズム)事例の検討を確認した。
 1日はサミットに先立ち、佐渡の景勝地の七浦海岸(相川地区)の一斉清掃が行われ、島根県隠岐の島町の松田和久町長、粟島浦村の本保建男村長ら170人が参加し、清掃を行った。

7月3日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070703-00000079-mailo-l15