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2007年07月02日(月) 00時00分

SIMロック(しむろっく)読売新聞


絵・唐沢なをき/文・唐沢よしこ

 モバイルナンバーポータビリティ、略してMNPが導入されたおかげで、携帯電話会社が変わってもそれまで使っている携帯電話番号が使えるようになりましたワン。しかし、携帯電話端末はほとんどその会社専用に出ているものしか使えません。会社が変わったら端末も買いなおしです。

 これはSIMロックという制限がかけられているためです。最近の携帯電話はSIMカードという電話番号情報の入った小さいICカードを差して使います。このカードを使う端末が、特定の電話会社のカードしか使えない状態になっていることをSIMロックと言います。

 日本の携帯電話は端末が安いとよく言われますが、実際に安いわけではなくて本当なら店頭価格の2〜3倍はします。しかし、端末が高いとお客さんが買いにくくユーザーが増えないので、携帯会社は販売店にお金を払って自社端末の値段を下げてもらいます。

 代わりに自社端末では自社の回線しか使えないようにし、値引き分を通話料に上乗せして回収します。そこでSIMロックをかけて、端末を別の会社の回線で使われないようにしているわけなのです。SIMロックのかかっていない端末というのもありますが、携帯会社からお金が出ないため、端末価格がとても高くなります。

 先日、総務省から「端末代を安く、その分通話料上乗せ」という携帯電話の現状を見直す方針が発表されました。これにともない、SIMロックも解除する方向に。電話会社に関係なく、好きな端末を使えるのはうれしいのですが、安い端末価格で慣れた人には微妙に感じるものもありそうですワン。

http://www.yomiuri.co.jp/net/column/yougo/20070702nt13.htm