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2007年05月31日(木) 15時45分

枚方談合 監視委に談合情報伝わらず 不自然落札に「意見なし」産経新聞

 大阪府枚方市発注の清掃工場の建設工事をめぐる談合事件で、大阪府警捜査2課警部補の平原幸史郎容疑者(47)=競売入札妨害(談合)容疑で逮捕=から中司宏市長(51)らにもたらされた「談合情報」が、第三者機関の入札監視委員会に伝えられていなかったことが31日、分かった。同委員会は落札の3日後に開催されたが、ほとんど異論が出ないまま、わずか30分程度で終了していた。

 中司市長によると、平原容疑者が平成14年ごろに面会に訪れ、「清掃工場の談合情報がある」という情報をもたらした。翌年、市長は助役に就任していた清掃工場建設担当の小堀隆恒・副市長に平原容疑者を紹介。その後、小堀副市長は担当部長らを交えて平原容疑者と面会を重ね、平原容疑者から同工場建設工事について「大林組が変な動きをしているので注意した方がいい」と改めて伝えられていたという。

 しかし、これらの情報は、入札の公平性や透明性の確保を目的とした第三者機関の入札監視委員会に伝えられていなかったという。

 同委員会は通常、入札前後に開催。弁護士と税理士、大学教授の3人がメンバーで、10億円以上の入札金額の場合は必ず開き、談合情報がある場合はそのつど開催する。

 談合の舞台となった第2清掃工場の入札は17年11月10日に行われ、大林組と浅沼組の共同企業体(JV)が予定価格の98・4%にあたる55億6000万円で落札。その3日後、同委員会が市役所内で開かれたが、メンバーから談合を疑う意見や異議は一切出なかった。市担当者による入札経緯の報告に対し「特に差し挟むべき意見はない」と結論付け、わずか30分程度で終了したという。

 この入札は3カ月前に一度実施され、参加業者はなく不調のまま終わっていたが、その後、市は簡単な工事を追加しただけで予定価格を約17億円増額。高値受注だったことに加え、不自然な経緯で進められていた。

 談合を追及してきた市議からは「たとえ談合情報がなくても、入札監視委員会は不可解な状況があれば指摘すべきだ。委員会そのものが形骸(けいがい)化しているのではないか」との声も上がっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070531-00000035-san-soci