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2007年05月31日(木) 15時02分

<枚方談合>「受注目的で動いた」逮捕の警部補、謝礼受領か毎日新聞

 大阪府枚方市発注の清掃工場建設工事を巡る談合事件で逮捕された府警捜査2課警部補の平原幸史郎容疑者(47)が大阪地検特捜部の調べに、浅沼組との共同企業体(JV)で工事を落札した大林組と市側の仲介をしたことについて「当初から受注させる目的で動いていた」と供述していることが分かった。平原容疑者が市役所に小堀隆恒副市長らを訪ね、同工事の情報収集をしていたことも判明。こうしたブローカーまがいの動きなどから、特捜部は、平原容疑者がゼネコン側から謝礼を受け取っていた疑いが強いとみて金品の授受についても追及する方針。
 調べでは、平原容疑者は大林組顧問の森井繁夫容疑者(63)らと共謀し、05年11月10日に枚方市が実施した第2清掃工場建設工事の制限付き一般競争入札(電子入札)で、両社のJVが受注できるよう談合した疑い。JVは最低制限価格を約10億円も上回る55億6000万円で落札。予定価格に対する落札率は98.42%と極めて高かった。
 これに先立つ04年、平原容疑者は大阪市内の飲食店に目的を告げず中司宏・枚方市長を呼び出し、森井容疑者に引き合わせていた。このほか、年に1、2回程度、市役所で小堀副市長に事業の進ちょく状況などを問い合わせていたという。
 小堀副市長は平原容疑者との面識について「03年か04年ごろ、市長室で市長から『クリーンな事業をするため助けてくれる方だ』と紹介され、初めて会った。その後は副市長室で会っていた」と説明。ところが、平原容疑者は03年3月から3年間は、談合事件などを担当する捜査2課ではなく、豊中署や機動捜査隊に勤務。本来の業務を離れゼネコン側のために工事の情報収集に当たっていた疑いが強まっている。
 特捜部は31日午前、容疑を裏付けるため、入札に参加した鹿島関西支店(大阪市中央区)、佐藤工業大阪支店の家宅捜索に着手した。【田中龍士、藤田剛、中村一成】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070531-00000064-mai-soci