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2007年05月30日(水) 19時07分

近未来通信、破産財団が集めた資産は3400万円余読売新聞

 IP電話事業への投資名目で300億円以上を集めた「近未来通信」(昨年12月破産)の詐欺事件で、出資した被害者らによる初めての債権者集会が30日、東京地裁で開かれ、破産財団が集めた資産は、約3410万円にとどまっていることが明らかになった。

 集会には全国各地から被害者ら約240人が出席した。破産管財人の鈴木銀治郎弁護士は、同社の預貯金の残高は約38万円で、会社名義の不動産や有価証券は一切なく、社有車10台を売却するなどした結果、約3410万円が資産として確保できたと説明。警視庁捜査2課が詐欺容疑で逮捕状を取った同社社長の石井優容疑者(50)の資産の預貯金も約32万円で、今後は、石井容疑者所有の不動産などを売却すれば約3000万円を新たに得られるとの見通しを示した。

 一方、同社に投資した被害者の債権は現段階で1110件、約167億5000万円で、租税負担などを含めると、負債総額は約173億円に上るという。

 鈴木弁護士は「負債はさらに増えるとみられ、被害者に配当できる可能性は極めて低い」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070530i312.htm