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2007年05月30日(水) 21時59分

松下電器、レンジ・冷蔵庫など305万台をリコール読売新聞

 松下電器産業は30日、部品の不具合が原因で発煙や発火の恐れがあるとして、電子レンジ12機種、冷凍冷蔵庫5機種、電気衣類乾燥機11機種(三菱電機に供給した3機種含む)の計28機種、約305万台について、リコール(無償点検と部品交換)を行うと発表した。

 対象は、電子レンジが1988年12月〜93年12月に製造した約193万台で、電子部品の一部が過熱して火花が出ることがある。冷蔵庫は89年2月〜92年10月製造の約30万台、衣類乾燥機は93年8月〜2001年12月製造の約82万台で、いずれも部品の不具合で発火する恐れがあるという。

 松下によると、これまでに電子レンジで9件、冷凍冷蔵庫で5件、衣類乾燥機で9件の発煙・発火事故が発生し、製品の一部が焼けたり、床が焦げたりした。02年10月には、愛知県内で衣類乾燥機の発火で煙を吸い込んだ2人が、のどを負傷する事故もあった。

 5月14日に施行された改正消費生活用製品安全法で国に報告が義務付けられた「重大事故」の対象ではないが、火災などにつながる可能性もあるため、リコールに踏み切った。現在も使用されているのは3製品で計26万台程度とみて、リコール費用は最大で数十億円と見込んでいる。

 松下では、05年に発生した石油温風機による死亡事故を受け、06年に過去の製品事故を見直す体制を整備した。過去の事故を再調査したところ、製品別に共通した原因が見つかった。大阪市内で記者会見した松下ホームアプライアンスの榎坂純二社長は「製品の安全設計に配慮不足があった」と述べた。

 家電業界で松下と同様の検証体制をとっているメーカーは少ない。松下で問題のある過去の製品が大量に見つかったことで、業界全体で製品事故への対応や安全対策が見直されるきっかけとなる可能性もある。

 問い合わせは、電子レンジ(電)0120・871・682、冷蔵庫(電)0120・871・337、衣類乾燥機(電)0120・871・399。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070530it11.htm