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2007年05月30日(水) 20時28分

生保12社の決算、8社で保険料収入が減少読売新聞

 主要生命保険会社12社の2007年3月期決算が30日、出そろった。一般企業の売上高にあたる保険料収入は12社合計で前期比2・8%減の21兆4200億円と、8年ぶりの増収となった前期から一転して減収になった。

 12社中8社で保険料収入が減少した。主力商品である死亡保障保険の落ち込みがさらに進んだ。高齢化にともない生前に保険金が給付される商品に人気が移ったためだ。収益が高い医療保険などの第3分野保険も、三井生命保険を除く11社で新規販売額が減少に転じた。

 保険金の不払い問題も年明け以降の業績を下押しした。日本生命など大手4社は、再発防止に向け、システム投資などに合わせて今後5年程度で計約2700億円を支出する方針を表明した。

 一方、本業のもうけを示す基礎利益は12社計で同9・5%増の2兆7000億円と増益を維持した。株価上昇などで運用成績が改善したことから、基礎利益は12社中7社が増益を確保した。増益の7社はいずれも基礎利益を初めて公表した1998〜2001年以降で最高益を記録した。

 保険会社が契約者に約束した利回りより実際の運用利回りが下回ることで生じる「逆ざや」も縮小した。大手4社はそろって5年後に逆ざやが解消するとの見通しを示している。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070530i114.htm?from=main1