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2007年05月30日(水) 12時03分

自殺防止:この1枚で救える命も ビラ撤去求められ、連絡協が協力要請へ /山梨毎日新聞

 借金苦による自殺を防ごうと、青木ケ原樹海での看板設置を目指している市民団体「全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会」(本部・東京)が29日、自殺体験者の手記を載せたビラ約100枚を同樹海内に置いた。ただ、置いた場所が富士吉田署が設置した「自殺防止呼びかけ箱」で、ビラも同署と連名だったため、同署から撤去を求められたという。協議会は撤去するかどうか「検討中」としたうえで、今週中にも県警本部と同署に協力要請を行う予定。【小林悠太】
 ビラは、連絡協の会員3人の体験が書かれ、「多重債務も相談すれば必ず解決する」と訴える内容。連絡協と同署の連絡先を明記した。
 連絡協の説明によると、同署から口頭で許可を得たうえで、3月30日にビラ約100枚を同箱に置いたところ、5月上旬に女性から「なくなっている」と電話があり、追加することを決めた。
 この日は、連絡協の沢口宣男会長ら5人が、樹海内の遊歩道脇にある「自殺防止呼びかけ箱」にビラ約100枚を置いた。その後、同署から正式な許可を得ていないことが判明。連絡協が同署に問い合わせたところ、「ビラを箱に置いたり、連名にすることは許可していない。撤去してほしい」と要請されたという。
 連絡協は「現在、警察が使っていない箱を利用しただけ。ビラ1枚で命を救われる人もいる」と話している。
 連絡協は今年1、3月、樹海内に看板を2度設置したが、県の正式許可がないとして2度とも撤去を余儀なくされた。しかし、この間に看板を見た約10人から、看板撤去後の3月31日以降もビラを見た約5人から電話相談があり、いずれも解決に向かっているという。看板設置に向け、連絡協は県に文書で近く正式に申請する。

5月30日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070530-00000102-mailo-l19