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2007年05月29日(火) 03時05分

NEC部長ら不正還流で裏金5億…下請け先に架空発注読売新聞

 大手電機メーカー「NEC」(東京都港区)の部長級の幹部を含む約10人の社員が、複数の子会社を利用して下請け先に架空発注を繰り返し、下請け先から現金をキックバックさせる手法で総額5億円の裏金を捻出(ねんしゅつ)していたことが、関係者の話で分かった。

 不正取引は、同社の国内営業部門のうちソフトウエア開発など5部門にまたがり、遅くとも2000年ごろには始まっていた。関与した社員が、個人的な飲食や取引先との接待などに充てていたという。同社は関与した社員を業務上横領などで刑事告訴することを検討している。

 関係者によると、不正取引は東京国税局の税務調査で判明した。この5部門では、子会社を通じて下請け先に架空あるいは水増し発注し、架空分などを現金で受け取る手法で、裏金を工面していた。

 NEC関係者は、「下請け先からのキックバックは、関与した社員がそれぞれ企てたことで、会社ぐるみということではない」と同社の組織的な行為を否定している。関与した社員の中には、事業部長クラスも含まれていたが、職場でのつながりはなかったという。

 NECは、弁護士に依頼するなどして内部調査を進め、刑事告訴のほか、関与した社員に裏金の返還を求めることも検討している。

 NECの07年3月期の連結決算の売上高は4兆6526億円。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070529i101.htm?from=main1