記事登録
2007年05月28日(月) 03時06分

<温暖化対策>「第3の産業革命」ドイツがEU加盟国に提言毎日新聞

 【ベルリン小谷守彦】欧州連合(EU)議長国のドイツが、地球温暖化対策でEU首脳会議が3月に合意した温室効果ガス排出の大幅削減など先進的な目標を実現するため、「第3の産業革命」と位置付ける技術革新政策の作成を加盟国に促していることが分かった。6月1、2の両日、独国内で開くEU非公式環境相会議で内容を詰める。EUの姿勢は、温暖化対策が最重要課題とされる主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット、同6〜8日)の議論にも影響する可能性がある。
 EU環境相会議に向けて独環境省が作成した18ページの事前文書によると、技術革新は全産業を対象にすることが強調され、エネルギー利用効率の劇的改善▽太陽光や風力など再生可能エネルギー利用の技術向上▽二酸化炭素を地下に貯蔵するカーボンキャプチャー技術の活用——などが盛り込まれている。
 また、技術革新を促す税制の策定、欧州内の製品に適用する環境基準の強化、欧州内排出権市場の早期確立も提案している。
 EU首脳会議は3月、温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で20%削減することに合意した。この合意では、EU以外の先進国などにも排出ガス削減の動きが広がった場合、EUとして同30%を削減するとも約束しており、地球規模の温暖化対策を意識した内容だ。
 だが、ハイリゲンダム・サミットでは排出ガス削減の具体的目標で一致することは困難視されており、EU内で20%削減をどう実現するかについても、原子力の活用を求める国があるなど各国間に立場の違いがある。
 ドイツの提案は原子力への言及は避け、予想を超えて拡大するエコロジー技術市場で、欧州が成功を収める重要性を強調している点が特徴的だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070528-00000005-mai-int