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2007年05月27日(日) 23時21分

全日空にシステム障害 130便欠航、7万人に影響朝日新聞

 27日未明、全日空(ANA)の国内線予約・発券システムに障害が発生し、同日午後9時半現在で羽田、大阪(伊丹)空港の発着便を中心に130便が欠航し、306便に1時間以上の遅れが出た。欠航・遅延便は、全日空のこの日の国内便(818便)全体の半数以上で、計約6万9300人に影響が出た。同社によると、同日未明からシステムが不調だったため、点検・修復作業を行っていた。同社で原因を調べている。

ANAのシステム障害で遅延や欠航が相次ぎ、搭乗客であふれかえる羽田の出発ロビー 航空券の払い戻しや予約変更などの対応に追われる全日空の職員

 トラブルが起きたのは「総合旅客システム(able)」と呼ばれる全日空グループの予約・発券システム。東京都内にホストコンピューターがあり、各空港のカウンターや旅行会社にある端末と専用回線で結ばれている。

 全日空によると、ホストコンピューターと空港カウンターなどを結ぶネットワークに障害が起き、処理能力が大幅に低下し、予約や発券の手続きが滞ったという。同社は最も混乱した羽田で午後1時半から4時間半にわたって全出発便を欠航。他社便への振り替えや払い戻しなどの対応にあたった。旅行会社とのネットワークについてはトラブルが確認されていない。

 27日午前0時ころからシステムが瞬間的に途切れる症状が出たため、修復作業をしていたが、航空機が飛び始めた朝から障害が深刻になった。

 全日空は、ホストコンピューターの周辺にあるサーバーのうち3台を、今月24日まで2週間かけて更新した。

 27日正午ごろ、この3台を古いサーバーに戻したところ、システムの処理能力が回復。システムは同日午後3時半に全面復旧し、運航は同6時以降出発の便から再開した。同社は、サーバーの更新が影響したのかどうかも、調べている。

 ただ、28日も10便が遅延、欠航するなど影響が残る見通しだという。

 共同運航便で同じ予約・発券システムを使っているエア・ドゥ、スカイネットアジア、アイベックスエアラインズの計42便にも遅れが出た。

http://www.asahi.com/national/update/0527/TKY200705270039.html