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2007年05月25日(金) 14時13分

米デルが直販専業を見直し、大手スーパーに出荷へ朝日新聞

 米パソコン大手のデルは24日、米小売り最大手ウォルマートの北米店舗に自社製品を出荷し、販売を委ねる計画を明らかにした。インターネットなどを通じた直接販売に絞った創業以来の事業形態「デルモデル」を見直し、ライバル社では一般的な小売店での店頭販売を本格採用する。販路を広げ、業績改善につなげる狙いだ。

 デルはデスクトップ型パソコン2機種をウォルマートの3000店以上に出荷。6月10日から店頭販売が始まる。デルは今回の北米での対応を経営改革への「最初のステップ」と説明し、今後、日本を含む海外の主要市場でも本格的な店頭販売を検討するとしている。

 デルは創業から23年間、原則として直販専業を貫いてきた。流通コストなどを大幅に省いて値を下げ、利幅も高める方式で、デルが急成長する原動力になった。

 だが、他社も一部の販売を直販に切り替えるなど競争が激化し、05年後半から業績低迷が顕在化。昨年はパソコン世界シェア首位の座を米ヒューレット・パッカードに奪われ、直近の決算では減収減益に落ち込んだ。

 このため、04年から会長職に専念していた創業者マイケル・デル氏が今年1月、最高経営責任者(CEO)に復帰し、立て直しを急いでいる。

http://www.asahi.com/business/update/0525/TKY200705250201.html