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2007年05月25日(金) 08時01分

本村さん「反省しているとは思えない」…山口母子殺害差し戻し控訴審スポーツ報知

 山口県光市で1999年4月、会社員本村洋さん(31)の妻弥生さん(当時23歳)と長女夕夏ちゃん(同11か月)が殺害された事件で、殺人罪などに問われた元少年(26)=事件当時18歳=の差し戻し控訴審第1回公判が24日、広島高裁(楢崎康英裁判長)で開かれた。検察側は改めて死刑を求め、弁護側は「殺意はなく傷害致死にとどまる」と死刑回避を主張した。

 本村さんはこの日、妻子の遺影を被告の背中に向け、傍聴席の3列目に着席。閉廷後の会見で、約5年ぶりに法廷で見た元少年について「ひょうひょうとしていて、反省しているとは思えない。許せない気持ちに変わりはないが、淡々と見ることができた」と語った。

 差し戻し審の焦点は、最高裁が死刑回避に必要と指摘した「特に酌量すべき事情」の有無。検察側は「無期懲役判決の『殺害の計画性が認めがたい』という点は不当」とする一方、弁護側は「著しい精神的未発達がもたらした事件」と主張、独自に実施した犯罪心理鑑定や精神鑑定の結果などの証拠採用を請求した。

 裁判は、1審山口地裁、2審広島高裁がともに無期懲役を言い渡したが、最高裁が昨年6月、「2審が死刑を選択しなかったことに十分な理由はない」として高裁判決を破棄、審理を差し戻した。6月26〜28日に開かれる次回公判以降で、被告人質問と犯罪心理鑑定人の証人尋問が行われる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070525-00000072-sph-soci