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2007年05月24日(木) 06時50分

読売東京本社に銃と薬物届く、「暴力団密売」の告発文も読売新聞

 拳銃や銃弾、違法薬物が入った宅配便が、暴力団による薬物密売を告発する文書とともに読売新聞東京本社(東京都千代田区)に送り付けられ、警視庁は、大掛かりな薬物密売組織が絡んでいる可能性があるとみて捜査を始めた。

 告発文は、実在する指定暴力団の元幹部が中国・香港の組織から大量の薬物を奪取したなどと指摘。同庁は告発文の内容の真偽を調べる一方、宅配便の送り主の特定を急いでいる。

 東京本社あてに届いた宅配便は黄緑色の包装紙に包まれた木箱で、ふたを開けると、半分に切ったメロンと茶封筒があり、その下に38口径の回転式拳銃1丁と銃弾13発が粘着テープではり付けられていた。

 同庁によると、拳銃と銃弾はいずれも本物とみられ、茶封筒には中国の旅券2通と中国語で書かれた文書が入っていた。文書は、指定暴力団の元幹部が香港の組織から奪った数十億円分の薬物を日本で密売しているとの内容で、「新宿の暴力団に、薬物の売買で得た金や拳銃が隠されている」などと告発している。

 また、木箱のふたの裏には白い粉が入った二つのビニール袋が張ってあり、袋の表面には、それぞれ「覚」「K」と書かれていた。鑑定の結果、覚せい剤約1グラムと、麻薬作用のある麻酔薬のケタミン約2グラムとわかった。

 同庁は、告発文に登場する元暴力団幹部らが実在していることを確認。周辺捜査を進めるとともに、宅配便の送り主についても、銃刀法違反や覚せい剤取締法違反などの容疑で調べている。

 宅配便が届いたのは今月15日午後。それに先立ち、東京本社の海外支局に突然、男の声で「暴力団のヤミ取引の情報がある」と送付を予告する電話があった。到着後、東京本社からの通報を受け、同庁は拳銃や薬物を差し押さえた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070524i501.htm