名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪に問われた大手ゼネコン「大林組」と同社名古屋支店元顧問・柴田政宏被告(71)(別の談合事件で公判中)など、談合に加わった共同企業体(JV)の幹事社5社と営業責任者5人の初公判が23日午後、名古屋地裁で開かれた。
柴田被告ら5人と5法人は、いずれも起訴事実を全面的に認めた。
同法では、社業として社員が談合を行った法人にも罰金を科す「両罰規定」があり、ゼネコンが同法違反で起訴されたのは初めて。
大林組のほか被告となったのは、「鹿島」(東京都港区)、「清水建設」(同)、「奥村組」(大阪市)、「前田建設工業」(東京都千代田区)の4社と、それぞれの営業責任者。
起訴状などによると、柴田被告ら5人は、2005年12月、大林組名古屋支店などで、地下鉄6号線(桜通線)の野並—徳重間延伸工事(9工区)の入札で、各社の規模や工事実績などをもとに、落札するJVや入札価格を取り決めた。
ゼネコン各社は05年12月、談合との「決別宣言」を行ったが、その後の06年2月と6月に実施された入札で、事前の談合に基づき応札した。今年3月、公正取引委員会が5社を同法違反で告発し、名古屋地検特捜部が5社と5人を起訴した。談合を自主申告した「ハザマ」(東京都港区)は公取委が告発を見送り、刑事責任を免れた。
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