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2007年05月21日(月) 17時53分

大林容疑者「息子と娘急所外す」と供述 責任軽減狙う?朝日新聞

 愛知県長久手町で、元暴力団組員が拳銃を持って元妻を人質に立てこもり、県警機動隊員1人を射殺し、警察官ら3人を撃ってけがをさせた事件で、殺人未遂容疑で逮捕された大林久人容疑者(50)が「息子と娘はわざと急所を外した」と殺意を否認する供述をしていることが20日、わかった。実際には長男には銃弾が肝臓と肺に当たって今も集中治療室に収容中。県警特捜本部は、刑事責任の軽減を狙った可能性があるとみて、供述の信用性についてさらに調べを進めている。

 調べでは、大林容疑者は17日午後4時10分ごろ、立てこもりの通報を受けて駆けつけた木本明史巡査部長(54)にいきなり発砲。続けて長男(25)の腹と、次女(21)の右脚を撃って殺そうとしたとされる。

 特捜本部の調べに対し、これまで大林容疑者は殺人未遂容疑について否認を続けている。特に、子ども2人について「身内だから、わざと急所を外した」などと話しているという。

 また、木本巡査部長らが撃たれた後、現場に駆けつけた警官に「子どもは病院に連れて行け、警官はそこに置いていけ」などと言ったこともわかった。

 しかし、長男は左の横腹を撃たれ、肝臓から肺にかけて弾が入る重傷。断続的に手術を受け、いまも集中治療室に収容されている状態だ。

 事件発生2日前の15日には、大林容疑者は車の売買をめぐって長男といさかいになったとされ、長男が「父に追いかけられている」と110番通報する騒ぎになっていた。

 また、発砲のきっかけは、大林容疑者が元妻に復縁を迫ったが、子ども2人も反対したことに激高したこととみられている。こうしたことから、特捜本部は大林容疑者が長男に対して強い怒りを抱いていた可能性が高いとみて、一連の経緯について長男の回復を待って詳しく事情を聴く方針だ。

http://www.asahi.com/national/update/0521/NGY200705210007.html