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2007年05月21日(月) 15時05分

<生保各社>架空契約や名義借り 不払い調査で多数判明毎日新聞

 生命保険各社による不払い調査の過程で、営業職員が知人の名前を使う名義借り契約や、実在しない人物の契約を作り上げる架空契約など不正契約が多数見つかったことが21日、分かった。最大手の日本生命では、01年4月〜06年3月の期間を対象に、契約者に解約返戻金などが支払われていない約75万件を調査したところ、「営業職員に頼まれて名前を貸した」など実体のない契約事例が確認された。同様の不正行為は他の生保でも見つかっており、金融庁は事実関係を確認したうえで行政処分を行う見通しだ。
 名義借り契約や架空契約は、保険料の立て替えなどを禁じた保険業法に違反する。関係者によると、営業職員がノルマ達成や成績を水増しするため、知り合いから名義を借り、自腹で保険料を支払う事例などがあったという。以前から常態化しており、「1000件に1件の割合で発生していた」(大手生保)とされるが、保険料の支払いが滞るなどしなければ発覚しにくいうえ、解約・失効した場合の返金手続きを熱心に行っていなかったことから、正確な実態は把握されていなかった。
 しかし、今回の一斉不払い調査で、解約・失効した契約者を追跡調査した結果、不正契約が相次いで確認されたという。【斉藤望】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070521-00000048-mai-bus_all