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2007年05月21日(月) 13時20分

ケネディ暗殺は複数犯?命中弾丸3発以上…米大チーム新説読売新聞

 【ワシントン=増満浩志】1963年のケネディ米大統領暗殺に使われた銃弾数について、当時の政府調査委員会が「2発」と結論する決め手となった化学分析には根本的な欠陥があることを、テキサス農工大などの研究チームが新たな分析で突き止めた。

 狙撃手1人による犯行とされていたが、当時の銃の連射に要する時間を考慮すると、同チームは「命中した銃弾が実際には3発以上あり、狙撃手も複数だった可能性がある」として、米専門誌「応用統計学年報」に発表した。

 当時の調査では、大統領の頭部など5か所で計7個採取された銃弾やその破片を分析。銀とアンチモンの含有量を比較、弾丸ごとに成分のばらつきは多少あるという前提で、「5か所のうち2か所が同一の弾丸、もう3か所も別の同一弾丸から生じた破片で、銃弾は計2個」と結論した。

 研究チームは今回、犯行に使われたのと同じ、54年製マンリヒャー・カルカノ銘柄の銃弾を古物市場で入手。計30個を最新の化学、統計手法で分析した結果、成分のばらつきが事件当時に考えられたより少ないことが判明、結論を導く上での前提が崩れた。

 このため、同チームは「調査委で『同一』と判断した試料にも、実は2個以上が混じっている可能性がある」と指摘。「試料を再分析し、銀とアンチモン以外の微量成分も調べるべきだ」と求めている。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070521it05.htm?from=top