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2007年05月19日(土) 13時05分

3容疑者、面識なし「注目浴びたくて」 漫画流出朝日新聞

 週刊漫画雑誌の人気作品が発売日前にネット上に流出していた事件で、著作権法違反容疑で逮捕された3人は互いに面識がなく、ファイル交換ソフト「ウィニー」を介して別々に流出させていたことが京都府警の調べでわかった。週刊漫画雑誌は早ければ1週間前に印刷を終え、順次書店などに送られるという。府警は3人が発売日を厳守していない店で事前に購入したのではないかとみている。

 逮捕されたのは大阪市大正区千島1丁目の会社員玉城(たましろ)光和容疑者(29)と盛岡市中太田新田のアルバイト小玉健二容疑者(26)、東京都足立区の少年(17)の3人。

 生活経済課ハイテク犯罪対策室の調べによると、玉城容疑者は1月と4月、「週刊少年サンデー」で連載中の「あいこら」(井上和郎さん作)など2作品を発売日当日未明にネット上に流出させた疑い。小玉容疑者は2月と4月、同誌の「金色のガッシュ!!」(雷句(らいく)誠さん作)と「ブリザードアクセル」(鈴木央(なかば)さん作)など3作品を、少年は2月と4月、「週刊少年ジャンプ」で連載している「魔人探偵脳噛(のうがみ)ネウロ」(松井優征さん作)を発売日4日前に流出させた疑い。

 府警によると、3人は1年以上前から流出を繰り返していたとみられ、玉城容疑者は「注目を浴びたかった」、小玉容疑者は「優越感に浸りたかった」、少年は「自慢したかった」と供述しているという。

 少年はネット上の掲示板「2ちゃんねる」で流出を予告。玉城容疑者と小玉容疑者はそれぞれ「錬金神」「お馬たん」のハンドルネームを使って書き込みをしていた。

 ブリザードアクセルの作者の鈴木さんは「インターネットには詳しくないのですが、とにかく非常に残念です」とコメント。「子連れ狼」などの原作者で大阪芸術大学芸術学部長の小池一夫さんは「日本の漫画は世界中で人気。ネットなら海外にもすぐ流出してしまう。残念だが、同様の被害は今後も増えるだろう」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/0519/OSK200705190031.html