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2007年05月18日(金) 04時24分

NHK経営委員長に富士フイルムHD社長の古森氏朝日新聞

 政府は17日、NHK経営委員会の新しい委員長に富士フイルムホールディングスの古森(こもり)重隆社長(67)を起用する方針を決めた。今国会で経営委員に就くことに同意を得られれば、6月にも正式に就任する。今国会に提出されている放送法改正案には、経営委員会の権限強化が盛り込まれており、成立すれば、新委員長はNHKの経営に対してこれまで以上に重い責任を負う。

 17日午後の安倍首相と菅総務相の会談で内定した。古森氏は安倍首相を囲む経済人の集い「四季の会」のメンバーのひとり。首相就任前から年に数回の懇親を重ねるなど、安倍氏に近い。富士フイルムの経営者としては、写真フィルム製造から液晶テレビ向けの部材開発に事業の柱を移す転換を主導した。

 NHKの経営委員は、国会の同意を経て首相の任命で決まる。委員長は12人の委員が互選する。前委員長の石原邦夫氏は、社長を務める東京海上日動火災保険が医療保険金の不払い問題で金融庁から業務停止命令を受けて、任期途中で辞任した。ほかに建築士の野間光輪子・京都市域産材普及推進委員長、小丸成洋・福山通運社長(再任)ら5人が経営委員に就く人事も内定した。

 放送法改正案は、経営委員会にNHK経営の基本方針の決定権を与える。会長ら役員を監督する権限の強化策も盛り込んでいる。これまでの経営委員会は事実上、会長ら執行部が決めたことを追認するだけだったが、今後はNHKの経営に深く関与する。

http://www.asahi.com/politics/update/0518/TKY200705170366.html