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2007年05月18日(金) 03時06分

<年金運用基金>裏金から飲食代年500万円 解散後も流用毎日新聞

 公的年金の積立金を運用していた厚生労働省所管の旧特殊法人「年金資金運用基金」(現・年金積立金管理運用独立行政法人)の幹部職員が私的団体を作り、融資申込書などの販売収益で裏金を作っていた問題で、同法人がまとめた調査報告書の全容が17日、明らかになった。裏金から毎年平均して400万〜500万円を職員の飲食代に充て、05年度に解散した後も、残金から約200万円を流用していた。
 同法人は、裏金作りの中心だった現管理部長(社会保険庁OB)ら関係者を処分する方針だが、ずさんな組織運営に批判が強まるのは必至だ。
 裏金は2口座で管理され、96年度から05年度までの10年間の総額は約2億5000万円に達した。印刷製本代や職員の賃金などを差し引いた利益が、新年会や忘年会をはじめとする飲食代などに使われた。報告書は、別に計上された「福利厚生費」も飲み食いに流用されていた場合、飲食費は毎年平均600万〜700万円程度に膨らむと指摘している。旧法人には06年3月の解散時点で141人の職員がいた。
 報告書で同法人は「利用者が負担する申請書類などの価格を下げるべきで、不適切という社会的な批判は免れない」と全面的に非を認めている。【坂口裕彦】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070518-00000008-mai-pol