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2007年05月16日(水) 07時03分

社保庁技官、東京歯科大同窓会から200万収賄容疑で捜査読売新聞

 社会保険庁の地方事務局に勤務する歯科系技官(57)が、歯科医の指導に関する便宜を図る見返りに、出身大学の東京歯科大(千葉市美浜区)の同窓会副会長で、日本歯科医師会の前専務理事(66)らから二百数十万円を受け取った疑いが強まり、警視庁捜査2課は、16日にもこの技官について収賄容疑で本格捜査に乗り出す方針を固めた。

 技官は5年以上前から、1回につき数十万円、総額で約1000万円の資金提供を受けていた疑いも浮上しており、捜査2課は、出身大学の同窓会組織を舞台にした癒着の解明を急いでいる。

 収賄の疑いが持たれているのは、社会保険庁栃木社会保険事務局(宇都宮市)に勤務する男性技官。

 調べによると、この技官は、同庁東京社会保険事務局などに勤務していた2002年〜05年の間に、歯科医の指導を巡って便宜を図る見返りに、前専務理事らから2百数十万円を受け取った疑いが持たれている。

 技官も東京歯科大出身で歯科医師の資格を持ち、地方に勤務する「指導医療官」として、歯科医による診療報酬の不正請求などについての指導や、保険医の指定について意見を述べる業務にあたっていた。

 東京歯科大の同窓会は、日本歯科医師会の内部で日大歯学部の同窓会と並ぶ最大派閥の一つ。問題の技官も都内で勤務医をしていたこともあったが、約10年前に同窓会に送り込まれる形で同庁の技官となり、東京歯科大の非常勤講師も兼務していた。

 技官は、前専務理事らから資金提供のほか、飲食の接待もたびたび受けていたという。

 東京歯科大は、明治時代の私塾から続く国内最古の私立歯科単科大学。卒業生は1万4000人に上る。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070516i101.htm?from=main1