記事登録
2007年05月11日(金) 23時24分

公的年金加入記録、生年月日不明が30万件…受給額影響も読売新聞

 社会保険庁は11日、公的年金の加入記録のうち約30万件が、生年月日が不明であることを明らかにした。

 加入者ごとに加入記録をまとめる際の重要なデータである生年月日がないことで、保険料の支払い記録の一部が抜け落ちて年金額に反映されない可能性もあり、社保庁はさらに詳細な再調査を行う方針だ。

 生年月日不明の記録は、厚生年金で30万675件、国民年金で1166件あった。民主党が、加入者と結びつかない年金加入記録約5000万件の詳しい内容を要求し、社保庁が年齢別に調べた際に見つかった。

 年金を受け取るには、加入記録に加入者の基礎年金番号を付与し、一つにまとめる「名寄せ」の作業が必要となる。名寄せは、主に「氏名」「生年月日」「性別」で行われるため、勤務先が変わった人が生年月日不明である場合などに、記録の一部が漏れる可能性が出てくる。

 勤務した事業所の名前などで正しく名寄せができることもあるが、柳沢厚生労働相は11日の衆院厚生労働委員会で、「事業所名などが欠けているものもある可能性がある。(名寄せできない記録が)皆無と言い切るのは難しい」と述べた。

 社保庁は5000万件の記録について、「すでに死亡している人の記録が多いと見られる」などと説明してきた。しかし、生年月日がわからないために加入者と結び付かない記録も多数あることが判明し、社保庁の年金事務のずさんさが改めて明らかになった。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070511it15.htm?from=top