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2007年05月11日(金) 09時50分

安価なレタックス復活 赤字対策で値上げも 利用者反発朝日新聞

 日本郵政公社は14日から、電子郵便「レタックス」に安価な580円コースを復活させる。事業の赤字体質から抜け出そうと4月の実質値上げで廃止したばかりだが、扱い数の90%を占めていたため利用者が反発。想定以上に需要が減り、朝令暮改の料金改定に追い込まれた。

 レタックスは電報の郵便版。内容を書いた紙を郵便局に出すと、あて先の局にファクシミリが送られ、台紙に張って配達される。慶弔や合格通知などに使われる。

 当初、速達などとの兼ね合いで価格設定したため、主力の580円コースでは採算割れで、05年度はレタックス事業全体で27億円の赤字だった。民営化前に黒字化を図ろうと、4月から複数あったコースを900円に統一し、実質値上げした。

 ところが学校など大口顧客から不満が噴出。4月前半の扱い数は前年の3割減で、見込みより大きく落ち込んだ。

 低料金の復活で、当面は赤字が続く見込み。公社幹部は「読みが甘かった。年700万通の利用があり、廃止は難しい。コスト削減を進めるしかない」と渋い顔だ。

http://www.asahi.com/business/update/0511/TKY200705100326.html